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情報に惑われず、正しい判断をするにはインテリジェンス・リテラシーが必要です。

投稿日: カテゴリー: セキュリティ
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日本語の情報は本当に日本発で日本のための情報か?

世界中から垣根なく情報が入り込む現在において、インテリジェンス・リテラシーなしに情報を判断すれば間違った判断によるリスクを被りやすくなります。
インテリジェンスやプロパガンダという言葉に良い訳語がありません。それは日本ではもともと特定の言葉を用意するほど日常に存在しなかった概念なのでしょう。
しかし、現在はインターネット・メディア・様々なコミニティからの情報の方が生い立ちから知っているような人の情報より圧倒的に日常の判断に影響しています。
インテリジェンスの根底は情報の評価です。インテリジェンスとは特定の立場においてどのような意味を持つかというところまで信憑性を吟味した上で解釈を施した情報です。
実践してこその情報ですが、皆さんの行動の質は普段から情報を質の高いインテリジェンスとして昇華できているかどうかにかかっています。つまり・インテリジェンスリテラシーをいかに高くできるかに掛かっています。日本語で書かれた情報は、日本のために書かれてれいるとは限りません。日本語の読める人に伝えようとしている情報と捉える方が騙されにくい情報の捉え方です。

昨今の紛争の報道でもCNN等の映像をそのまま日本のメディアが引用元も明かさず、伝える情報を取捨選択(報道しない自由を行使)して報道しています。SNSの方が引用がはっきりしている分情報を辿れるので、テレビより源流の意図を判断できる分信用できる情報とも言えるのではないでしょうか。とは言え後述するようにSNSを情報源にした場合のバイアスが存在するので情報を精査する必要はあります。

ソーシャルエンジニアリングの記事でも書いた通り、人間の仕様として「嘘や噂をそうかもしれないと判断に取り込んでしまう特性」がある以上、多くの人を介在する中で意図するかしないかに関わらず嘘や噂など判断の精度低める要素が混在する可能性があります。自分が獲得した情報に正しいと言える判断をするためには体系だった策を講じる必要であることはご理解いただけたのではないかと思います。インテリジェンスリテラシーを実践する策は3つの段階、要素に分けられます。

インテリジェンスリテラシーを実践する3つの要素は、判断に対する情報収集の戦略を立てること、情報の取得環境のバイアスを除くこと、発信者の戦略による判断のバイアスを除くことです。

本題に入る前に最も重要なのが判断に対する情報収集の戦略を立てること、つまり立ち位置と目的を明確にすることです。

意見を言うか言わないかに関わらず自身の立ち位置と目的を明確しておかなければ、インテリジェンスリテラシー以前にプロパガンダやフェイクニュースに乗せられ他人の意図した言動に人生を費やしてしまっている状況に気づくことができません。最近は「陰謀論だ」に乗せて情報戦に巻き込まれるケースが増えているので「陰謀論」を題材に立ち位置と目的を明確にすることを考えていきたいと思います。

「陰謀論だ」は反論と言えるのか〜判断に対する情報収集の戦略を立てるには立ち位置と目的を明確にする

陰謀論とは一般的によく知られた事件や歴史の背後に別の策略があったとして考察された信憑性に乏しい論議を示します。
まず、意見とはポジションと論拠があることが要件であります。要件が揃わない場合ただの反応と扱う他ありません。
論拠があれば判断軸に基づき相手のポジション対し賛同し、相手方のポジションに立つことができますが論拠がないものは相手が仮にいなくとも説明できる説明責任を果たすことが叶いません。
また、立場が明確でない場合も同様に意見に対し責任を負うことができません
従って、陰謀論だと反証するには前提として、事件や歴史に関してそれ以上の背後がないことを根拠付けて説明する必要があり可能性を否定し切るのは容易なことではありません。

陰謀論は現時点で論拠の不足している仮説に過ぎず、立場をとって論拠を集めてから判断し自分としての結論を持てば結果的に反論になるかもしれませんし、裏付けが明確になり陰謀論ではなくなる可能性もあります。少なくとも「陰謀論だ」は反論ではないことは判ったかと思います。大事なのは疑問のある仮説に対し、立場をとって「確かな情報」で固めていき都度見直し自分の意見を作っていくプロセスです。
そして「確かな情報」を得る方法は目的に対する適切な情報源と収集方法、そして判断に誤らせる要素を除外できるかでインテリジェンスとしての精度が変わります。

情報の取得環境に対するインテリジェンス・リテラシー〜情報の取得環境のバイアスを除くこと

哲学者フランシス・ベーコンが著書ノヴム・オルガヌム(1620年)で説明しているように 経験や体験から物事を判断する際に間違った思い込みをもたらす要素を4つのイドラとして表現している。今日では皆さんの多くはインターネットを通じて情報収集を行っているのではないかともいますが、本質は変わりません。特に「洞窟のイドラ」は、狭い洞窟の中にいるように、身近な家族や友人の考え、読んだ本などに影響を受けて形成される偏見や先入観ですがインターネットでは特に顕著に形成されます。何となくインターネット空間の情報の異質性があると感じていても原因となる特徴を言語化できず判断に活かすことができなければ環境の傾向に意図せず載のせられ誤った判断をする可能性があります。いくつかのキーワードを中心に視点を増やしていきましょう。

フィルターバブル

フィルターバブルとは個々の利用者に最適化された情報ばかり提供されることで、パーソナライゼーション機能とも呼ばれています。検索結果が趣向に合っていく一方、利用者に合わないと推測される情報から隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立します。同じインターネットを見ているという状況は、Googleに代表される検索エンジンや、FacebookやTwitterのようなSNSにはこのアルゴリズムが適用されているのでありえないという前提に立つべきです。
シークレットモードやプライベートブラウズなどでパーソナライズされない検索結果を確認することでどうして検索して見つからないなどということが理解できたこともあります。

エコーチェンバー現象

エコーチェンバー現象とは、閉鎖的なコミュニティ・組織の中でコミュニケーションを繰り返すことで、考え方や価値観の偏りが強化増幅されて多様性の排除を生み、より偏った方向に行ってしまう現象です。実際は少数派の意見なのに支持される意見として過激化して発信が繰り返されあたかも一定数いるかのように社会的に影響を与えてしまっているケースは散見しますが、国民のリテラシーが十分に高ければ影響は最小化されるはずです。
お気づきかと思いますがフィルターバブルがこの現象を加速させます。

サイバーカスケード

同じ思想を持つ人を繋ぎやすいインターネットの性質がもたらす、閉鎖的な環境で議論した結果、極端な世論が形成されやすくなる性質です。

インターネットではその情報を提供している環境に対して何が影響力を持つのかを考えることで一定のバイアスに気をつけることが可能です。

クイズ番組でクイズ王が答えは知らなかったがスポンサーから答えを推測したと発言したこともあったようにテレビはスポンサーが情報に対してバイアスを与えています。殺人道具にスポンサーになりうるものが特定されないように配慮したり、逆に不自然にスポンサー提供の小道具ばかり利用されたりと注意深く見ればバイアスがかかった情報であるのは明らかです。

現代においてプロパガンダがない情報を探す方が困難〜発信者の戦略による判断のバイアスを除くこと

ひと昔前では時間もお金も掛けなければならなかった情報が次々と「当たり前」にタダ同然で手に入る状態が現代です。反面、情報発信やコンテンツに費やされるお金は増えています。これは本来疑うべきことです。
例えば、情報自体の価値ではなくお金を払ってでも情報を受け取った人間に起こさせたい言動の価値が上昇しているのではなどと仮説を置くことでその不自然さを検証する糸口になります。

つまり、情報を受ける側からすればその発信者じゃなくともいくらでもその情報を知る手段があるにも関わらず、コストをかけて情報発信するのは発信者の戦略が背景にあると考えます。ここまでの記事で情報の判断する立ち位置と目的を明確にし、情報源の環境におけるバイアスを理解するところまで解説してきました。次はプロパガンダ手法を理解し、発信者の戦略におけるバイアスを除くことに関して理解を深めていきたいと思います。

ホワイト・プロパガンダとブラック・プロパガンダの定義と現実の宣伝活動

ブラック・プロパガンダとは情報の発信元に隠匿、偽装がある、発信内容に虚偽が含まれている、そもそもの情報源の信憑性に欠ける宣伝活動です。一方、ホワイト・プロパガンダは発信元が明示され、発信内容に虚偽が含まれず、情報源の信憑性が十分に確認された宣伝活動です。インテリジェンス・リテラシーのない人々からするとホワイト・プロパガンダのような情報提供されていることが当たり前と捉えているかもしれません。しかし、ここまで読んできていただいた皆さんは、ホワイトプロパガンダは情報の受け取り手が十分にインテリジェンスリテラシーの手順を踏んで初めて判断できると理解できたはずです。

現実の宣伝活動を計画する側は、人々のインテリジェンスリテラシーの無さは知った上での発信を行います。これはブラック・プロパガンダはもちろん、ホワイト・プロパガンダでも同様です。

ホワイト・プロパガンダは事実である以上、最終的には多角的な検証によりブラック・プロパガンダに勝ち得ますが現実世界で次々に入ってくる情報に対して検証に割ける労力に限度があること、ブラック・プロパガンダは事実に基づかない部分を隠匿しつついくらでも受け取り手にとって都合が良かったり、誇張することが可能なこと、長年培われてきた手法が確立していることが有利であることを知っておく必要があります。

最後の手法に関して知識をつけていくことにフォーカスしたいと思います。

確立したプロパガンダ手法は世界の共通知となっている|政治宣伝のための7つの法則と兵法三十六計

近代の戦争ではアンヌ・モレリの戦争プロパガンダ10の法則にあるプロパガンダ手法に基づいてまるで型や教科書に倣うような政治言動が行われています。本を読んだ後に報道や記録動画を見るとまるで儀式のように見えるレベルです。プロパガンダの手法はこのような国家間の戦争に纏わるものから様々ありますが、もっと身近な巷のニュースを検証するには政治宣伝のための7つの法則と兵法三十六計が今後のインテリジェンスリテラシーに貢献

以上です。参考になりましたら幸いです。