お客様の要求をすべて実現するのが理想?
要求定義と要件定義の区別、説明できますか?
お客様の要求を定義する意味では同じでは?
そう考えるかたもいらっしゃるかもしれません。
要求定義、要件定義それぞれ一行で説明すると以下のようになります。
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要求定義=お客様の要望の全体を項目ごとに定義してまとめたもの
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要件定義=要求定義の中で我々が約束した仕事の項目をまとめたもの
『要件定義=要求定義』となれば理想的なようですが、
これだけ多種多様なサービスを網羅できることも難しいですし、
たとえ頑張って1から10まで作ることができたとしてもお客様に作業の実感がないことで
無茶な要求に振り回される火種を作っていることになります。
企業としての仕事の目的は、互いの利益を享受する『良い関係性の継続』にあります。
自社の現場が本当に提供でき得るサービスをしっかり正直に伝えることが、
関係性の寿命を決めると言って過言ではありません。
要求定義を一工夫すると思わぬメリットが
要件定義書は聞くが、要求定義書なかったような‥
要件定義書だけの場合、
『納得いく説明を受けたつもりだが要件定義書に書かれたことが実現すれば、本当に我々の要求は実現するだろうか』
それを眺める発注者は不安を抱くかもしれません。
要件定義は『開発側の言葉』で書かれているため、時代の移り変わりの早い今世では把握しろという方が無理があります。
そこで要求定義を作ることで、お客様の要望の全体はそこに書かれているため、
複数社の分業プロジェクトだとしても、何が行われて、何が行われないかは把握しやすくなります。
私からオススメしたいのは、要求定義と自社の要件定義の対応表を作りお客様に提供することです。
項目ごとに費用を見せていくと、『この素材ウチにあるわ』『データ作りはやらせるからこの文削れんか』など
見積もりの調整をお客様とスムーズに行えるなど思わぬメリットがあります。
要求定義の外せない3つのポイント
要件定義のヒアリングの際に外して欲しくないのは、以下の3つです。
1 現状の問題点 → 解消すべき要求事項
2 達成したい目標 → プロジェクトの着地点
3 システム化に期待することを → システムの位置づけ
そしてこれらは手書きで構いませんので『お客様の目の前で』記載してください。
もうお分かりかと思いますがこの部分の記載にWebやITに関する知識は一切不要です。
目の前で記載しながら、お客様と一緒に『共通の夢を記載』しましょう。
そして締めに
『このプロジェクトが成功したかどうかは、
何をもって判断されるか。』
を聞きます。要件定義にも共通の最重要項目です。
水掛け論にならないのはもちろんですが、何より理想を真剣にお客様と語り合うことはとても楽しいことです。
そして話した内容は忘れずにその日の内に必ずリマインドを送りましょう。
プロジェクトを成功に導くドキュメントも立派な作品です。
真心込めて、お客様とのプロジェクトの成功への祈りを込めてご提供しましょう。
みなさまのプロジェクトの成功をお祈りいたします。
以上です。
お役に立てば幸いです。